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文化財修復

阿弥陀堂修復情報 漆塗・金箔「漆塗と金箔押し」

漆塗と金箔押し(2019年4月~2021年7月 実施)

格天井 ごうてんじょう かまち の漆塗、 琵琶板 びわいた ※1長押 なげし ※2・欄間の箔押しを行いました。
修理は古い漆面・金箔を掻き落として損傷部分を補修し、木地の漆吸い込み防止と漆の密着をよくする目的として、 錆漆 さびうるし ※3付けと研ぎ作業を交互に行い金箔を押します。金箔は、箔押漆を塗り、塗った漆を均一にしてから押していきます。この工程の出来によって、金箔の輝きが決まってしまうため、熟練した職人の技が必要となります。
本修復では石川県金沢市で製造された 縁付金箔 えんつけきんぱく ※4を使用しました。

※1 琵琶板:組物と組物の間などに嵌め込まれている板のことです。
※2 長 押:柱を水平方向につなぐもので、鴨居の上から被せたり、柱間を渡せたりするように壁に沿って取り付けられています。
※3 錆 漆:生漆と地の粉(粒の粗い土)と砥の粉(粒の細かい土)を混ぜ合わせたものです。
※4 縁付金箔:縁付は400年以上前から行われている金箔の製造技術で、日本独自の伝統製法です。2020年12月に世界無形文化遺産に登録された「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」の17分野の技術の1つです。

掻き落とし(外陣欄間)

漆塗(余間格天井)

漆研ぎ(余間長押)

箔押漆塗(外陣欄間)

箔押し(内陣丸柱)

修理完了(外陣欄間)

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