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文化財修復

唐門修復情報 彩色工事vol.4「彩色作業を経て修復完了」

彩色作業を経て修復完了(2019年7月~2021年2月実施)

 金箔押しを終えたら、作成した復元見取図をもとに彩色作業を行います。彩色箇所の発色をよくするために、胡粉ごふん※1膠水にかわすい※2で溶いて下地として塗っていきます。下地を塗り終えたら、模様をつける箇所に見取図に合わせて作製した型紙を貼りつけて墨で文様を摺り写して立体感をつけます。 墨で模様を摺り写したら、顔料を膠水に混ぜて修復箇所に塗ります。上塗りと同系色の水干絵具すいひえのぐ※3で下塗りし、さらに天然の岩絵具で上塗りを2・3回塗り重ねて、彩色工事のすべての工程が完了となります。

 修復により紫外線や雨風によって剥落などの劣化が進んだ唐門彫刻に鮮やかな色彩が戻りました。

※1 胡粉 : 貝殻を砕いてできた白色顔料です。発色を良くするための下地、仕上げ用など様々な用途で使用します。
※2 膠水 : 動物の骨や皮から抽出される膠を水で溶かしたもので、顔料を塗るための糊の役割をします。
※3 水干絵具 : 天然の土、または胡粉や白土に染料を染め付けた微粒子の日本画絵具です。

胡粉塗り作業

墨を摺り込んだ斗栱

彩色作業の様子(木鼻獅子)

修復を終えた唐破風下(北)

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