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文化財修復

阿弥陀堂修復情報 彩色工事「彩色修復が終了しました」

彩色修復が終了しました(2020.11.1)

今回の彩色修復工事では、蓄積した塵埃じんあいを除去、剥落はくらく・退色等している箇所を補修し、彩色を美しく保つために、洗浄作業・剥落止め作業・補彩作業が行われました。

洗浄作業は、塵埃や香煙こうえん、煤の汚れを落とす作業で す。専用の装置を用いて生成した超微細な泡を含んだ特 殊な水がわずかな凸凹おうとつにも入り込み汚れを吸着するため、 強く擦る必要がなく、着色面に負担をかけずに汚れを落とす ことが可能となります。

洗浄作業の様子

剥落止め作業の様子

剥落止め作業は、絵具の接着力が低下している箇所を 膠水にかわすいを使用して接着する作業です。通常、絵具を圧着させ るために吸収紙を介して指で剥落部分を押さえますが、阿 弥陀堂彩色の一部では、より強固に接着するために、テフ ロン加工紙を介して熱を利用したコテを用いて接着する作業 も行われました。

※膠水:膠を水で溶かし、顔料を絵具にするための接着剤として使用します。

補彩作業は、劣化により退色や損傷した箇所の色面しきめんを補 う作業です。本修復では、修復箇所に合う色を様々な材料 を用いてその場で調合する方法が使われました。また、補修 箇所が目立たないように周囲の地色に合わせて補修紙の 部分だけを彩色する手法も用いられています。

補彩作業の様子

修復前の柱

修復後の柱

彩色工事の材料たち

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