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文化財修復

唐門修復情報 漆(うるし)工事 Vol.3「修復箇所の平滑(へいかつ)化」

修復箇所の平滑化へいかつか(2020.10.1)

傷んだ箇所に刻苧こくそ※1を埋めて補修を行った後、乾燥により収縮した箇所を柱と平滑にするために下地付けの作業を行います。下地の材料は、※2※3生漆きうるし ・水などです。修復箇所によって工程が異なりますが、回数を重ねるごとに材料の粗さがなくなり、段々と細かくなっていきます。

この作業で注意する点は、下地が隙間なくつけられていないと修復箇所から空気が入り、亀裂が生じてしまうことです。また、厚くつけすぎてしまうと次に行う麻布を貼る工程で張った布が突出してしまいます。このため下地をつける際は 凹凸おうとつがないよう平滑にしていくことが重要になります。 乾燥後、修復箇所に麻布を貼る布着せ作業を行っていきます。

※1...生漆・米糊・欅粉・綿を混ぜたもの。割れが深いところに埋めていき、傷んだ箇所の補修を行うために使用します。
※2...粒の粗い土。生漆と混ぜたものは厚めに付けることができるので、凸凹を補修をし、木地を整えます。
※3...粒の細かい土。生漆と混ぜたものは、ツルツルしているので化粧錆として使用し、漆を塗りやすくします。

木べらと下地材料

刻苧を埋めた修復箇所

修復箇所に隙間なく下地を付けていく

乾燥後、布着せ作業を行っていく

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